久しぶりのBlogを書かせていただきます。
国際フロンティアメッセ2024神戸(9月5日,6日)と複合材料・カーボンフェア2024(9月13日)を終了して、今後の弊社の展開をご報告いたします。
確信を持って主張させていただきたいのは、リサイクルという言葉ではビジネスは成立しない。
平たく言うとお金儲けにはならない。
では、どうすればリサイクルが日の目を見るのか?
リサイクル技術を開発しても、話題にはなりますが継続的なビジネスとしては成立しにくいことが判ってきました。
パブリシティーや有識者がリサイクル、持続可能社会、サーキュラーエコノミーと、きれいごとを言っても(このキーワードを言えばお金が集まり、講演をすれば人が集まるだけで)産業界は反対意見こそ出さないが、「お付き合いはさせて頂きましょう」という程度で火中の栗を拾わないのが本音です。
また、リサイクル技術開発者側にも多くの問題点があり、反省すべき点が多々あります。
リサイクル技術開発に着手し先行した各社は、大学教授の権威を背景に、経済産業省やNEDOという我が国の技術の最高権威の名前のもと、これがリサイクル材料であるという間違ったイメージを定着させてしまいました。
新品より性能が落ちるのは当たり前で、取り扱いが困難であるが、これを使いこなすのがリサイクルであるという、身勝手な理屈を定着させましたが、市場はこれに反発あるいは無視して、リサイクル炭素繊維は使い物にならないというイメージが定着してしまいました。
技術的に先行していると言われるヨーロッパでも、日本国内と状況はあまり変わらず、性能が今一歩新品におよばず、ファイバーの飛散が当然の材料がリサイクル材のイメージが定着しております。
「どうすればこの不透明な状況を打開できるのか?」という自問自答を繰り返してきました。
そしてひたすら、新品炭素繊維を意識して市場開発を続けてきました。
「弊社の乾留炭素繊維は、リサイクルという冠を外して商品展開をしてはどうか?」
今回の2つの展示会は、この考え方を市場に提案する場になりました。
今回の展示会の総括をおこなうと「炭素繊維を用いた弊社の新しい商品」は、リサイクルであるという説明無しに、市場に受け入れられることが確認できました。
「リサイクル」であれば売れるという呪縛から解き放された瞬間です。
以前から少しずつご説明していた、アモルファスカーボンで被覆された炭素繊維は、確かにCFRPのリサイクルから生成しますが、新品炭素繊維とは異なる表面状態を持つ新しい界面制御型の炭素繊維であり、これまでの樹脂を対象とした強化材料から新しいマトリックスに適合できる炭素繊維として生まれ変わりました。
弊社の精密乾留炭素繊維が新品炭素繊維とは異なる道を歩み始めた瞬間であります。
塚田理研、Aikiリオテックと一緒に開発してた直接電気メッキ炭素繊維は、新品炭素繊維では困難とされていた炭素表面への直接電気メッキを界面制御技術により可能にしました。
早速、航空機、自動車、産業機器に新しい用途を見出そうとしております。
この界面制御技術は、新しい技術商品群の出現と技術分野への進出を示唆しております。
まとめ
精密乾留法で、界面制御された炭素繊維は、これまで蓄積してきた2次加工技術と組み合わせることによって金属メッキ繊維や、乾式、湿式不織布に加工され、これまで炭素繊維が対応できなかった新しい複合材の設計、開発が可能になり、新しい価値と市場を生み出します。
以上