昨年は、新しいステップアップに向けての大きな転換期になりました。
コンポジットユナイテッドという複合材料のヨーロッパにおけるギルド組織から参加を招聘され、メンバーとなりました。この組織のバックグラウンドはエアバス社であり、念願のヨーロッパ市場への展開のきっかけを掴むことができ、2023年度から活動を開始します。

 昨年に新しいメンバー4名が参加し、頭脳と六感をフルに使う教育を行い、杉野でなければできないと言われていた業務を各自が分担をして成長を始めております。8月30日に富士加飾㈱を分社化し、新しく加わった4名のメンバーを含む6名が生産活動を行う、rCF(リサイクル炭素繊維)生産に特化した富士デザイン㈱を設立しました。

富士デザイン㈱は将来大きく需要が伸びるrCFに対し新たに設備投資により増能力を図ります。設備投資にあたってはrCFの2次加工分野でシナジー効果が期待できる、川上と川下分野の2社に増資引き受けをお願い致しました。これで、rCF2次加工品に関し、樹脂原料から最終製品まで一貫した材料設計が可能になり、新しい市場開発につながると期待しております。

これに伴い富士加飾㈱はrCFを用いた新しい研究開発に集中できる体制となります。富士加飾㈱の研究開発分野にはrCFの特性を生かしC/Cコンポジットをベースとする超高温耐熱材料の開発を行います。rCFは新品CFでは到達が困難な新しい分野を切り開くことが可能になります。また、rCFと共に市場より要求のあるrGFのリサイクル技術の開発も並行して行います。

 以上のように、弊社が開発した精密乾留技術は、古典的な拡散理論であるFickの第一法則を忠実に生かした応用範囲の広いリサイクル処理法として今後も社会の要求に応えながら進化したいと思います。

 また、富士加飾㈱とNDAを締結していただきました皆様には、今年も最新のrCF関連技術と情報をご提供いたします。

以上