5.1.1 排ガス対策の概要
初期段階の実証炉では、ウォータースクラバを用いた排ガス洗浄および脱臭を行っていたが、排気ガスの煙の色や臭いに問題が見られたため、VOC(揮発性有機化合物)除去装置を導入した。
VOC 除去装置を1 台レンタルし設置した上で、排気ガスの煙の色や臭いを観察し導入を検討したが、より効果を出すため2 台を直列接続して設置することとした。設置時の実証炉の概略図を図5.1 に示す。ウォータースクラバからVOC 除去装置2 台に代えたことで、循環するガスの空気抵抗が高くなり、適当な量のガスが排出されない問題が生じたが、循環ファンの能力をあげることで対応した。
5.1.2 排ガス測定結果
VOC 除去装置を設置後、その効果を検証する目的で、排ガスの環境測定を実施した。測定は一般社団法人茨城県環境管理協会に委託した。測定場所は、実証炉の排ガスの管内としている。測定の様子は図5.2 の通りである。
測定対象は、悪臭防止法に基づき、トルエンおよびキシレンとした。測定結果は表5.1 の通りとなり、作業環境および周辺環境への影響は見られないと評価した。