7.2 横展開の可能性

7.2 横展開の可能性

7.2.1 経済的視点

本技術システムの開発は、富士加飾が所有するCFRP 回収技術システム(平成29 年6月8 日特願2017-113772/リサイクル炭素繊維収束体、およびその製造方法)を活用して実施したものである。

事業の横展開に向けては、㈱リーテムとの連携の下であれば、富士加飾㈱の特許の通常使用権の許諾の範囲を拡大し、他の事業者や、事業メーカー、利用メーカーなどのシステム関与者に対し、普及拡大を図るなどを想定している。新たな展開は、将来の需要の伸びや、利用用途の拡大などの動向を踏まえて、商品、技術開発を推進する予定としている。

7.2.2 技術的視点

束状でのRCF の回収技術は、長繊維CFRTP の製造技術への拡張に至る「KEY となる技術」である。それを用いて、今後、循環型製品普及モデルとするには、更に高性能かつ品質安定性の高い市場への採用が不可欠となる。また、様々な需要家との連携を踏まえて、製品製造レベルでの事業対応が求められることになり、それに向けた事業展開の準備も必要となるものと考えている。

そのため、今後の出口戦略としては、新たな技術開発を継続し、引き続き金属材料の代替利用に向けて、量産加工性、商品化に向けた加飾性などの検討を行う。なお、今後の出口戦略としては、以下のとおり、新たな技術開発を継続して行うなどが考えられる。

① リサイクル長炭素繊維含有量50%以上のコンポジットによるアルミ、マグネシウム代替材料の開発(比重:1.8)
② 新しい概念の熱可塑性長繊維コンポジット材料と加工方法の開発(自動車、航空機)※ USA、EU のCFRP、CFRTP の二次加工分野と比較しても、技術の優位性が高い。
③ CFRP 成形時に加工された塗装皮膜、メッキ、ガラス繊維等の除去法の開発、あるいは、少量の残留物を含有するリサイクル炭素繊維を用いた汎用コンパウンドの開発と商品化(一般産業資材、スポーツ用品)
④ リサイクル材と新品材のハイブリッド化によるCFRP、CFRTP の適用部材の拡大(軽量化による省エネ、CO2 発生の削減)ー積層の上下に新品材を利用
⑤ 成形品への加飾技術の開発(仕上げの表面塗装が省略する低VOC 加飾法にIMR 検討)