5.3 環境改善効果の評価方法とCO2 削減効果等

5.3 環境改善効果の評価方法とCO2 削減効果等

RCF の回収・利用に伴う環境改善効果の測定のため、最終処分量の回避効果や、埋立処分+新材製造と比較した場合のCO2 削減効果などのLCA 分析を行う。

(1)CFRP のリサイクルに伴う最終処分量の削減

従来、CFRP のリサイクルはあまり進んでおらず、単体での使用物は主に安定型埋立処分がされる。また、他のプラスチック素材との混合破砕後のASR、SR は、焼却、セメント燃料利用(既存設備利用)などの処分・利用方法において、CFRP の混入に伴う処理システム上の障害となってきた。RCF の再製品化を通じて、この課題を回避できる可能性がある。

なお、環境改善効果の評価方法は、以下の点が考えられる。
① 「埋立又はセメント燃料処分量」と、「製品化利用量」の比較(t/年)
② ①の処分費用(▲費用/年)と、製品化による高付加価値化に伴う利益(+利益/年)との経済効果。

(2)LCA 分析

LCA 分析は、RCF の回収、再製品化(ペレット)との比較対象として、新材製造(PAN繊維)及び利用後の埋立処分と比較して行う。

(処理法の特徴)
➢ CFRP の製造;1800℃の高温、ポリアクリルニトリル(PAN 系)を用いた製造で膨大
なエネルギー利用とシアンガス発生(環境影響大)。また、中間基材は海外製品化(9割)され、物流手間とエネルギー、コスト大。
➢ 今回の実証事業(リサイクル製品化);500℃以下の熱気流。コンパウンドまで含めた一貫利用システム。

(推計方法)
CFRP の製造と、今回の一貫利用システムにおける分別回収(RCF 回収)との比較において、CO2 排出量の削減効果の算定を行う。

① CFRP の原料回収、RCF 回収及び、ペレット製造・出荷に伴うCO2 排出量
炭素繊維のRCF 回収に伴うCO2 排出量は、反応炉での電気、LP ガス使用量及び、エポキシ樹脂の気化に伴うガス量から換算を行う。

② CFRP の埋立処分及び、炭素繊維の新材製造・出荷に伴うCO2 排出量
LCA 日本フォーラム及び、炭素繊維協会から情報収集を行う。

(推計結果)
① PC-25RCF ;1.76 t-CO2/製造t
② 埋立+新材 ;22.56 t-CO2/製造t

LCA 分析は、CNG ボンベを対象に行う。原料回収は、トラックでの効率的な運搬を考慮(原料購入費の削減)し、トラック1 台分に相当するまで現場保管をお願いするなど、排出者の理解を得て行う前提とした。

なお、CNG タンクは、多数の回収元となるA 社からの輸送を前提に、エネルギー使用及びCO2 排出量の算定を行った。その結果、原料回収に伴うCO2 排出量は、0.22 ㎏-CO2/CFRP-㎏(CFRP 重量換算値)となる。

検討の結果、PC-25RCF1t 製造(1.76 t-CO2 )と、埋立+新材1t 製造(22.56 t-CO2 )で、リサイクルは新材製造の7.8%程度で可能という結果となった。RCF 利用の製品化は、ユーザーから、新品CF と遜色がないとの評価を得ており、利用事業が実現すれば、環境負荷低減の効果は高い。